インフルエンザの予防接種が「効果がない!」と言われる理由
2016/10/21
高熱が出やすく、感染力の高いインフルエンザ。
受験や年末年始の繁忙期に重なる形で流行が起こりやすいため、
症状が辛いという意味だけでなく
時期的にも、出来るだけかかりたくないものですよね。
そんな対策として代表的な予防接種ですが、
「ちゃんと予防接種を受けたのにインフルエンザに掛かってしまった」
という話も時々耳にします。
実際、予防接種はインフルエンザの防止に
一体どれほどの効果があるのか?
効果がない!と言われてしまう理由は何なのか?チェックしていきましょう!
Sponsored Link
そもそも予防接種の仕組みとは?
インフルエンザにかかわらず、
人間の体はウィルスや細菌に感染すると、
それらの病原菌を排除するために、抗体というものをつくります。
そして、その抗体が病原菌を排除する働きのことを『免疫』といいます。
この抗体は一度体内に入り込んだ病原菌のことを記憶して、
次に同じ病原菌が入ってきた時に、
病気の症状が出ないように病原菌を排除してくれます。
予防接種は、この免疫を意図的に作り出させることで、
病原体が本格的に体の中に入ってくる前に、撃退してしまおうという物なのです。
様々な病気への予防接種があるのは、
体内の抗体が覚えてくれる病原体の情報が、
自分が感染した病原体にしか効果がないためですね。
本当に効果はあるの?
予防接種をしてもインフルエンザにかかる理由とは?
「インフルエンザの予防接種は効かない!」というような声を
時折耳にしますが、一体なぜでしょうか?
それには2つの理由があります。
『予防確率』を知っておこう
まず1つ目は、予防接種の予防確率の問題です。
実際に予防接種でインフルエンザを
予防出来る確率は、60~70%程度と言われています。
この60~70%という数字だけでは少しわかりにくいのですが、
×100人居たら60~70人はインフルエンザにかからない
という意味ではなく
○予防接種をしなかった場合100人インフルエンザになる時、
予防接種をしたら60~70人はかからずに済む。
ということになります。
仮に、誰も予防接種をしなかった場合に200人中100人が感染するなら、
この全員が予防接種をしていた場合、感染者は200人中30~40人に抑えられるというわけです。
逆に言えば予防接種をしても30~40人はインフルエンザにかかってしまうので、
これがインフルエンザの予防接種は効果がないと言われる1つ目の理由になります。
新型インフルエンザ
2つ目の理由は、新型インフルエンザの存在です。
インフルエンザのウィルスというのは、頻繁に形が変わってしまうため、
抗体の作られていないタイプのインフルエンザが現れると、
あっという間に大流行してしまうわけです。
鳥インフルエンザ等が問題視されるのは、
今までに全くない新しいタイプのインフルエンザが、
人に感染する形に変形することで、
『抗体を誰も持っていないインフルエンザが大流行』
してしまうのを恐れているからなのです。
そのような理由で、インフルエンザが予想できない形に変化すると、
予防接種をしていてもインフルエンザに感染してしまいます。
これが2つ目の理由です。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
インフルエンザ大流行の年の報道や、
「予防接種をしても感染してしまった」という人の話が
人の印象には残りやすいので、
その結果「インフルエンザの予防接種は効果がない!」
というイメージが付きがちなのです。
ですが、予防接種は決して無意味ではなく、十分な抑止力があるので、
受験など大切な用事が控えている年は特に、
しっかりと予防接種をしておくことをおすすめします!